つぶやきの延長線上 second season

映画、アニメーションのこと

2019-01-01から1年間の記事一覧

2019年映画ベスト10

2010年代ラストになってしまいました。2019年は私的なことでバタバタしたりと、いつもより映画を見ていない気もしますが、新作100以上見ていれば文句ないっしょということで例年通りのベスト10! www.youtube.com ひかりの歌 トイ・ストーリー4 ある女優の不…

2019年 音楽ベスト25

年末ギリギリのエントリー!例のごとく年間ベストです!今年も順位つけられないので順不同ですが、一番聴いたのはkillieの『匿名希望の手紙』でした!最近精力的に活動しているので、来年もライヴあればみたいですね。それと今年は再発もラッシュだったよう…

アニメクリティーク刊行会『アニクリvol.10「特集 総記:京都アニメーション」』への寄稿について

告知です。2019冬コミ(C97)12月30日、三日目南3ム14bにて刊行される、アニクリvol.10に論考(のようなもの?)とコメントをひとつ寄稿させて頂きました。 nag-nay.hatenablog.com 論考(のようなもの)『匿名希望の手紙』では、『ヴァイオレット・エヴァー…

ジョン・フォード『ウィリーが凱旋するとき』(1950)

オープニング音楽を演奏し終わったところで「戦争だ!日本が真珠湾に攻撃をしかけてきた!」と報告が入る。ウィリーは徴兵され運転は苦手だが、射撃手としては抜群の成績を残し、いざ戦争に! と意気込むもなかなか戦場に派遣されない。基地が地元だったこと…

神代辰巳『死角関係 隣人夫婦男女四人のからみ合い』(1987)

シネマヴェーラの神代特集で彼の手がけた火サスを見た。ところで火サスといえば先日見たcuntsがオープニングで火カスのテーマソングを使っていたなーと思いつつ、「じゃじゃじゃっじゃーーーーん」と音楽が劇場を流れ始める。そしてもうひとつ思い出すのであ…

『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』についての取りとめもない雑記

音の視覚化について試みたと考えられる『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』(2005)では、レミング病と呼ばれる自殺病が流行った世界を描いている。言うなれば少し先の未来、大雑把にいえばSF映画にあたるのであるが、再見して思ったのはやっぱり「西部劇」で…

『見えない目撃者』と『クロール-凶暴領域-』

邦画の中ではぜひとも支持をしたいと思わせた『見えない目撃者』。ただ、冒頭の吉岡里帆が失明するシーンに関してはもう少し簡潔に終わらせられなかったものか。あれなら車が事故を起こす(横転する)、そして、次は助けられた吉岡のショット。車どかーん。…

どこか浮世絵離れしたできごととしての——『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)

自身の映画記憶から引用に次ぐ引用、音楽的センス、『パルプ・フィクション』で見せた時系列操作といいDJとしてのタランティーノの総合的な一本になった『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。シャロン・テートがレコードプレイヤーで音楽をか…

Letterboxdで映画オールタイムベスト100のリストを作ってみた

フォロイーさんより情報を得て、海外シネフィルの動向をウォッチングするために導入したLetterboxdというアプリで、自分だけの映画リストを作れるらしいと知り、試しに映画オールタイムベスト100を作ってみた。ただ、やってみると鈴木則文さえ網羅できていな…

ジョシュ・クーリー『トイ・ストーリー4』

水路に流されそうになるラジコン(RC)を助けに共同で助けようとするおもちゃたち。なんとか捕まえ部屋に戻るが、スタンド照明とセットにされているボー・ピープがダンボールにしまわれて別の人のもとへ渡ってしまう。助けようとするウッディであるが、ボー…

安里麻里『アンダー・ユア・ベッド』(2019)

私はこの作品に対して批評的にどう優れているだとか、映画原理主義的にどうだとか到底いえない。それでも言葉にしなければならないと思ったのは、この真摯な映画に感動してしまったからで、その痕跡を残しておきたかったからだ。 おそらく『アンダー・ユア・…

アニメクリティーク刊行会『アニクリvol.3.5 特集〈アニメにおける音楽/響け!ユーフォニアム+号〉』及び『アニクリvol.7s 特集 〈アニメにおけるバグの表象 作画崩壊/幽霊の住処〉』への寄稿について #C96 #夏コミ

夏がやってきました。ということで、夏コミ関連の告知です。いつもお世話になっている、アニメクリティーク刊行会(anime critique)の新刊に拙稿を2件掲載頂いています。 8月11日(日)31bでの発刊とのことです。 ◆『アニクリvol.3.5 特集 アニメにおける音…

フレデリック・ワイズマン『エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館 Ex Libris: The New York Public Library』(2017)の構造について

3時間を超える作品であっても、毎回新作が公開されると駆けつけてしまうフレデリック・ワイズマン。長いと思っていても見れてしまうのは彼の作るリズムにあるのだろう。『ニューヨーク公共図書館』のランタイムは205分だ。決して短くない。今回は本作の構造…

『天気の子』についての覚書

『天気の子』なぜかIMAXで視聴。大きすぎるスクリーンだと視野的にカバーできない瞬間があるので、通常のスクリーンでまた見るかも。以下覚書。1行目からネタバレなので予告でも挟もう。 www.youtube.com 冒頭のモノローグといい、世界のために誰かが人柱に…

2019年上半期 新作映画ベスト10

今年はあまり見れなかったが、ギリギリ10本集まったので。もちろん長編・短編なんでもありベスト。 ひかりの歌 Wild Love 7月の物語 復讐者のメロディ テリファイド パチャママ リム・オブ・ザ・ワールド イメージの本 阿吽 ワイルドツアー カメラが捉える世…

映画雑記04

公開ひと月も経たないまま上映館が少なく、数日前の予約でなければ取れなかった『プロメア』。キャラ造形と物語は今石x中島の手癖によるところが大きく、作画監にすしお氏が入っていることからも『グレンラガン』を想起するような造形だらけ。とにかく動き回…

映画雑記03

真夜中のひと気のいない夜の路線が映される。そこに置かれたカメラはしばらくの間そのまま静止する。すると列車の暖かなヘッドライトの光が見えてくるとガタン・・・ゴトン・・・といった音とともに、ホーム(画面)手前から奥に向かって電車が到達する。実に静か…

ギヨーム・ブラック『7月の物語』

オープニング。長めに映されたショットで、階段から降りてきた少女が踊り場の壁をひたすら殴る蹴る場面を捉える。しばらく壁との攻防が続くと、階段から彼女の知り合いらしき女性が降りてきて声をかける。スタンダードの画面効果か、彼女らの位置関係にメリ…

映画雑記02

各作品ごとに1記事書くのが困難と思うようになってきた。それ以上に映画に対して何かを書くといったことがツイッターの文字数でも難しい。おそらく時間が解決することなんだろうと思いながらキーボードを叩く。ところで何かを書くならキーボードがベストだ。…

映画雑記01

先日シネスイッチ銀座にてゴダールの『イメージの本』を見てきた。今年はゴダールといいイーストウッドといい高齢映画監督たちの映画が次々に公開されている。『運び屋』は近年のイーストウッドでいちばんよかった。家の中にいるイーストウッドが車の音を聞…

楫野裕『阿吽』

映画というよりも、どこかの部室の片隅に落ちている記録フィルムのような作品だ。8ミリフィルムで撮られた黒白画面は表面上の傷や埃などが、あえてそのまま残してあるような感覚を受ける。そのざらついたイメージが、90年代後半以降の心霊ビデオなどの何か危…

ファン・アンティン『パチャママ』

遅くなったがTAAFで見た『パチャママ』を簡単に。TAAF2019長編コンペでいちばんシンプルに「映画」を目指した作品だったに違いない。村の財宝が奪われ、それを奪い返すために追いかけ、奪還、そしたら今度はまた奪われないように追ってから逃げる…といったマ…

三宅唱『ワイルドツアー』

スマホの画面からデジタルヴィデオカメラの画面、そしてPCモニター(編集)と移り変わるフォーマットの差異を見て『無言日記』や『THE COCKPIT』、そして短編映画など彼のフィルモグラフィーが透けて見えるようだった。いまどきのスマホ(インスタ、ティック…

不純なるアニメーションの覚書——『アニメ制作者たちの方法』を読んで

昨年末に映画年間ベストを振り返ったとき、マイナーなアニメーション市場が撹拌されて目立った年だったと書いた。 paranoid3333333.hatenablog.com どうにもそれには2016年の『君の名は。』、『聲の形』、『この世界の片隅に』のヒットに引っ張られる形で新…

音楽雑記01

音楽レヴューっぽく音楽のことについて書くより、誰かに話すように、または日記のように書くほうが自分に合っているような感じがしているのでってことで。 さて、ご存知FRIENDSHIPの2ndフル『Undercurrent』これが彼らの新境地というか、ベスト作ではないだ…

2018年に取りこぼした音楽というか殴り書きした雑記の一部

ブログをひと月書かないとなかなか文章が思い浮かばないもので、そのためのリハビリというか近況をふらっと……といっても近況なんて何もないので2018年に取りこぼして2019年になって聴いた音楽さらっと書きます。 open.spotify.com 早見沙織が歌がうまいこと…

杉田協士『ひかりの歌』

のれんをしまう店員。ほんのりと光が透過されるすりガラスのドア。まかないを食べ、一人の女性が店を去るのであろうか、多すぎない幾つかの言葉が交わされる。髪の長い女性と短い女性。髪の短い女性は高校の臨時教師として美術に関わっているようだ。髪の長…