つぶやきの延長線上 second season

映画、アニメーション、音楽のこと

映画雑記04

公開ひと月も経たないまま上映館が少なく、数日前の予約でなければ取れなかった『プロメア』。キャラ造形と物語は今石x中島の手癖によるところが大きく、作画監にすしお氏が入っていることからも『グレンラガン』を想起するような造形だらけ。とにかく動き回…

映画雑記03

真夜中のひと気のいない夜の路線が映される。そこに置かれたカメラはしばらくの間そのまま静止する。すると列車の暖かなヘッドライトの光が見えてくるとガタン・・・ゴトン・・・といった音とともに、ホーム(画面)手前から奥に向かって電車が到達する。実に静か…

ギヨーム・ブラック『7月の物語』

オープニング。長めに映されたショットで、階段から降りてきた少女が踊り場の壁をひたすら殴る蹴る場面を捉える。しばらく壁との攻防が続くと、階段から彼女の知り合いらしき女性が降りてきて声をかける。スタンダードの画面効果か、彼女らの位置関係にメリ…

映画雑記02

各作品ごとに1記事書くのが困難と思うようになってきた。それ以上に映画に対して何かを書くといったことがツイッターの文字数でも難しい。おそらく時間が解決することなんだろうと思いながらキーボードを叩く。ところで何かを書くならキーボードがベストだ。…

映画雑記01

先日シネスイッチ銀座にてゴダールの『イメージの本』を見てきた。今年はゴダールといいイーストウッドといい高齢映画監督たちの映画が次々に公開されている。『運び屋』は近年のイーストウッドでいちばんよかった。家の中にいるイーストウッドが車の音を聞…

楫野裕『阿吽』

映画というよりも、どこかの部室の片隅に落ちている記録フィルムのような作品だ。8ミリフィルムで撮られた黒白画面は表面上の傷や埃などが、あえてそのまま残してあるような感覚を受ける。そのざらついたイメージが、90年代後半以降の心霊ビデオなどの何か危…

ファン・アンティン『パチャママ』

遅くなったがTAAFで見た『パチャママ』を簡単に。TAAF2019長編コンペでいちばんシンプルに「映画」を目指した作品だったに違いない。村の財宝が奪われ、それを奪い返すために追いかけ、奪還、そしたら今度はまた奪われないように追ってから逃げる…といったマ…

三宅唱『ワイルドツアー』

スマホの画面からデジタルヴィデオカメラの画面、そしてPCモニター(編集)と移り変わるフォーマットの差異を見て『無言日記』や『THE COCKPIT』、そして短編映画など彼のフィルモグラフィーが透けて見えるようだった。いまどきのスマホ(インスタ、ティック…

不純なるアニメーションの覚書——『アニメ制作者たちの方法』を読んで

昨年末に映画年間ベストを振り返ったとき、マイナーなアニメーション市場が撹拌されて目立った年だったと書いた。 paranoid3333333.hatenablog.com どうにもそれには2016年の『君の名は。』、『聲の形』、『この世界の片隅に』のヒットに引っ張られる形で新…

音楽雑記01

音楽レヴューっぽく音楽のことについて書くより、誰かに話すように、または日記のように書くほうが自分に合っているような感じがしているのでってことで。 さて、ご存知FRIENDSHIPの2ndフル『Undercurrent』これが彼らの新境地というか、ベスト作ではないだ…

2018年に取りこぼした音楽というか殴り書きした雑記の一部

ブログをひと月書かないとなかなか文章が思い浮かばないもので、そのためのリハビリというか近況をふらっと……といっても近況なんて何もないので2018年に取りこぼして2019年になって聴いた音楽さらっと書きます。 open.spotify.com 早見沙織が歌がうまいこと…

杉田協士『ひかりの歌』

のれんをしまう店員。ほんのりと光が透過されるすりガラスのドア。まかないを食べ、一人の女性が店を去るのであろうか、多すぎない幾つかの言葉が交わされる。髪の長い女性と短い女性。髪の短い女性は高校の臨時教師として美術に関わっているようだ。髪の長…

2018年 新作映画ベスト10

毎年恒例の新作映画ベスト。以下ベストと雑感を。 www.youtube.com リズと青い鳥 ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション きみの鳥はうたえる パディントン2 それから 大人のためのグリム童話 手をなくした少女 ニューヨーク、ジャクソンハイ…

話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選

今年も新米さんのこの企画参加致します。順不同です。 shinmai.seesaa.net ルール・2018年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。・1作品につき上限1話。・順位は付けない。 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第5話「人を結ぶ…

2018年 音楽ベスト10 + LIVEベスト10

今年からSpotifyの有料会員になり、これでフィジカル購入量が減り節約バンザイ! と思っていたのだが、結局のところSpotifyで聴いてよかったらフィジカルを購入してしまうルーティンに入り、まったく節約ができなかった2018年でした。 今年はソドム(日本)…

「アニクリvol.9.0 監督 山田尚子総特集号」への寄稿及び「アニクリvol.6.5 βペンギン・ハイウェイ/文字と映像(序)」への再掲について(冬コミC95)

今年も早いもので師走です。告知ですが「アニクリvol.9.0 監督 山田尚子総特集号」へ『天使にふれるために——山田尚子論』を寄稿しました。 nag-nay.hatenablog.com 山田尚子監督作以外にも参加作品を参照しながら、主題を抽出して書いた作家論になっています…

映画映画ベストテン

毎年恒例となっているワッシュさんのところのベストテン企画へ参加します。今年のテーマは「映画映画ベストテン」とのこと。 d.hatena.ne.jp 教授とわたし、そして映画(ホン・サンス、2010) カミュなんて知らない(柳町光男、2006) Notre nazi/Unser Nazi…

「アニクリvol.6.6 続・新房昭之ノ西尾維新『続・終物語』」への寄稿について(11/25,文フリ)

最近は朝が寒くてなかなか起きれない日々を過ごしておりますが告知です。「アニクリvol.6.6 続・新房昭之ノ西尾維新『続・終物語』」へ『続・終物語』に関する文章を寄稿しました。 nag-nay.hatenablog.com 今年は『少女終末旅行』や『リズと青い鳥』などア…

フレデリック・ワイズマン『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』

公開から一ヶ月経ってしまったこともあり快適な空間で鑑賞することができた。ワイズマンの新作は『ナショナル・ギャラリー英国の至宝』(2014)ぶりだったろうか、最近イメフォとアテネでやっていた特集上映には時間が合わなくて『動物園』(1993)しか見れ…

『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』1回目

数を数えるとき、1の次は2が一般的だろう。そして2の次は3であるし、3の次は4が待っている。1階の階段を上がると2階につくし、校庭を2回周れば2周目という。野球の試合を見ていると1回表、1回裏、2回表、3回裏、といったように続いていく。そのように私たち…

ラリー・クラーク『KIDS/キッズ』(1995)

若い男女がキスをしている。おおよそ真実を口にしていなさそうな若い男が彼女を口説く。 「何を考えているかわかるかい?」 「セックスでしょ?」 君のことばかり考えている。セックスは最高さ。妊娠なんてしない大丈夫さ。と嘘八百を口にしながらついに彼女…

「山田尚子」論に向けて(2)――古典から見る映画の振動について

前回「山田尚子」論に向けて思考の見取り図のようなものを書いてみたが、他にも書きたいことが出てきたので、(2)としてみた。続きというか、もっと断片的なことになるかもしれない。前回と同じくこの文章がそのまま本論につながっていくかわからないが、…

『寝ても覚めても』と『きみの鳥はうたえる』

彼女は二度寝る。 『寝ても覚めても』唐田えりかは上品なお嬢様風の空気を身をまといながら、ちょっと外れた人物を演じている。ふたりの東出はもちろん不気味に描いているのだが、どうも唐田えりかも十分怪物に見えてくる。濱口竜介は期間限定で配信されてい…

「山田尚子」論に向けて――アニメーションにおける作家性について

アニクリ9.5の『リズと青い鳥』号を読みながら山田尚子について考える。一応、山田尚子論なるものは日々考えているのだけど、ここに書くことはとりあえずの素案のようなものになる。(といいながらまったく違うものになる可能性もあるし、そもそも書けない可…

セバスチャン・ローデンバック『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』(2016)

高校か大学生の頃だったろうか。それまで「グリム童話」といえばディズニー長編アニメーションの『シンデレラ』や『白雪姫』などの作品くらいでしか知見がなかったのが、何が始まりだったか「本当は怖いグリム童話」の流行で『シンデレラ』の姉たちはガラス…

上田慎一郎『カメラを止めるな!』

先日より拡大公開されたことで何とか『カメラを止めるな!』(以下『カメ止』と略す)を見に行けた。TOHOシネマズ日比谷の大きなスクリーンだったが、それでも満席になっていたので配給会社はウハウハだろうな、と思いながら鑑賞した。確かに人も入っていた…

ハーモニー・コリン『スプリング・ブレイカーズ』(2012)

公開時ぶりに鑑賞。いわゆる、おっぱい、酒、ドラッグ、ヴァイオレンスなんかで語られる映画だけれども、例えば『ピラニア3D』のように表面上おっぱいを映しているっていうよりも、職業柄そういった行動をとっていると言ったほうが正しいか。本作で度々いわ…

リカルド・フレーダー『ヒッチコック博士の恐ろしい秘密』(1964)

中原昌也の白紙委任状にて『悪魔の夜』と『ヒッチコック博士の恐ろしい秘密』を見た。夏休みだというのに暑いので新作映画も名画座通いも避けていたのだけど、まあ夜から始まるなら多少涼しいだろうって。ジャック・ターナーの『悪魔の夜』は、超常現象を科…

2000年以降の音楽ベスト100 (2018.8.12時点)

ツイッターで2000年以降のベストアルバム25を出している人がいて、ちょっと気になったので自分もやってみることに。25枚には絞れなくて、結局100枚選びました。これでも1年につき10枚も選べないという。音楽リストってのは映画とは違い趣向が出すぎてジャン…

『アニクリvol.9.5 リズと青い鳥 特集号』への寄稿について

8月12日(日)夏コミ3日目(東”ナ”35a)より頒布されます『アニクリvol.9.5 リズと青い鳥 特集号』へ寄稿させて頂いたので告知します。アニメクリティークさんへは『vol.0.6 傷物語』『vol.8.0 終わりを「旅」する少女』に続いて3回目となりました。 nag-nay…