つぶやきの延長線上 second season

映画、アニメーション、音楽のこと

tampen.jp主催『アニメーションの〈いま〉を知る−−「キャラクター」という宇宙』2日目イベント レポ

先日はtampen.jp主催の『アニメーションの〈いま〉を知る−−「キャラクター」という宇宙』に行ってきた。こちらのイベントは9種類の短編アニメーションを上映し、登壇者2名によるトークショーといった形式をとっており、今回はタイトル通り「キャラクター」に重きをおいた作品を選んで上映をしていた。イベントは2つ日間に渡り開催されていたが、私が行ったのは2日目。この日の登壇は、視覚文化評論家の塚田優さんと、2017年の批評再生塾に参加されていた灰街令さん。

tampen.jp

 当日の上映作品は以下の通り。

『どんどんカタストロドン』くわがた、2012
Airy Me』久野遥子、2013
『ゆきすすみさりゆき』くわがた、2014
『正太郎』前田結歌、2014
momoka 3』相磯桃花、2014

momoka exseeeeess‼︎』相磯桃花、2015
『私には未来がある』大内りえ子、2016
YUMTOPIA』星夢乃2017
『螺旋のクオリア』山下理紗、2018

冒頭主催からの挨拶が終わってから、すぐにアニメーション上映開始。全て合わせても30分~40分程度だったろうか。テレビアニメや映画であれば、あっという間に感じられるかもしれないが、映画祭などで短編アニメーションを続けて見るとこれが結構疲れる。

基本的に個人作家ということがあるのかもしれないが、個人作家による短編アニメーションは人が介在することが少ないので、より私的なエネルギーを宿す。またアニメートの方法も千差万別ってのも疲れの原因かもしれない。

しかし、それだけに魅力的な作品もたくさんあるのが事実だ。 

今回のイベントでは2013年~2018年に発表された作品を年代順にかけていく。トークショーでこの流れにも触れられていたが、私は最初の『どんどんカスタドン』と『螺旋のクオリア』には時代を感じた。

『どんどんカスタドン』はMAD的(そんなに詳しくないのだが)なのだろうか、オブジェクトがバンバンと足し算されていくような感覚。インターネット的とでもいえばいいか、少し前の時代を感じるような短編。逆に『螺旋のクオリア』は今どきな作風で、もともとはゲームだったものを短編作品に落とし込んでいるよう。この辺りはデヴィッド・オライリー的な感覚だろうか。トークショーで灰街さんも話しておられたが、『BLAME!』あたりの3DCG的な感覚がある。あと『シドニアの騎士』あたりを想起した。でも、私個人的にはあまりピンとくるものがなかった。このあたりは時代を感じる構成でしたが、それに挟まれた作品はそこまで時代的なものは感じなかった。 

いちばんよかったのは『ゆきすすみさりゆき』。少女の背中からカメラを回して、ただ歩いているってショットを撮るのだけど、風景が変わったり少女の姿が変形していく。たまに後ろを振り返ったりするんだけど、常にキャラクターや風景が揺れ動いているってところが印象的。一時的な記憶を保持しようとするんだけど、それが崩れたり混ぜ合わさったりするので画面(記憶)が揺らいでいるのではないか?と感じた。背中から徹底的にカメラを回すというと『サウルの息子』を連想する。あれも私的なものとして、表象不可能な出来事を記録として残すから。サウルが2015年でこちらが2014年ってのも面白いね。

『私には未来がある』は短編といえど15分オーバーなので結構疲れてしまって、次の『YUMTOPIA』は完全に失念してしまった

今回の登壇は「キャラクター」に焦点を当てていたので『キャラクターを、見ている。』で『かぐや姫の物語』の批評を書いた塚田さんと、批評再生塾の最終課題で、『キャラジェクトの誕生』を書いた灰街さん。トークショーはもう少し聞きたかったなーって感じだったんだけど、案外すぐ終わってしまった。レポするより実際の配信動画があるのでこちらを参照ください。

 

www.youtube.com

 

一時は人が集まるのか微妙なことをツイートされていましたが、結果、ほとんど席が埋まっていましたのでよかったんじゃないかな。今回上映された作品は作家のvimeoなどで見れるものもあるので、何度か見てみようかなーと思っている。これからも続くのであればぜひ見に行きたいですね。楽しい時間を過ごせました。

 

美術手帖 2014年 10月号

美術手帖 2014年 10月号

 

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